「刑事マディガン」

昨日DVD購入。この名作が1000円を切る値段で売られるという事に怒りを感じる。ドナルド・シーゲル監督、リチャード・ウィドマークがタイトルロールを演じ、まだ若く、走る走る。相棒刑事がハリー・ガーディノ。「ダーティーハリー」のハリーの上司が有名なんだろうが、ウチとしては昔東京12チャンネルの昼の映画枠で何回かやった主演映画「殺人者の影を追え」をイチオシとしたい。この手の映画、とんとやら無くなったねぇ。サブ主人公ともいえる警察コミッショナーヘンリー・フォンダ。ヒロインは若くして亡くなったインガー・スティーブンス。この人は一時期クリント・イーストウッドと交際していたのではなかったかな?チンピラポンビキで「マンハッタン無宿」、TV版「マイク・ハマー」(スティシー・キーチ主演)でパット・チャンバース刑事を演じたドン・ストラゥド。強引な上に粗っぽい捜査でへまをしてしまう主人公が最後に駆け抜ける3日間。傍惚れしている女房とはイマイチ上手く行かず、そのクセ愛人宅にお泊りしても手も出さない。犯罪をランク付けし、小悪党や負けいぬには妙に優しい。相手がナマ言うとなると女相手でも粗っぽい手段に出る。ただ飯当たり前の不良警官のクセに精錬潔白を絵に書いたようなコミッショナーにコンプレックスを持っている・・・そんなキャラをリチャード・ウィドマークが好演。ハリー・ガーディノが上手く相棒役を演じて引きたてる。警官映画として良質。DVDは吹き替え付きだが、残念ながらTV放送版とは違う様だ。(うろ覚えだがウィドマークの吹き替えはコジャックの人だったと思う。)全編完全に吹き替えが入っているので、ひょっとしたら新録かもしれない。
悲劇的なストーリィだが、マディガンは人気が出た様で、TVシリーズ、あるいはミニムービーとして数本作られたようだ。
リチャード・ウィドマーク、まだ健在のはず。映画監督の原田真人さんがある映画でなんとかウィドマークを使おうとして、繋ぎは取れたのだけれどある事情で実現しなかった・・・とどこかで読んだ。事実であれば残念至極。
追記・・・この時代の刑事物なので銃は獅子鼻のリボルバー、SWチーフにも見えるが作品中では「デティクティブスペシャル」と言ってもいる。ラストはこいつを一丁ずつ2丁拳銃で突入するのが格好良い。悪漢は1911というのもこの時代の標準。最初に刑事に付きつけるシーンではハンマーが倒れていて「いやはや・・・」だが次ぎのシーンではハンマーも上がっていてセィフティが外れているのが確認出来る。今は全員オートが当たり前だが昔はオートは悪漢の持ち物だったのだ。