「プルーフ・オブ・ライフ」

日テレ深夜。ラッセル・クロウが誘拐交渉人を演じる。被害者がデヴィッド・モースで、その妻がメグ・ライアン・・・・撮影中にクロウと出来て、亭主のデニス・クェイドと別れた…なんてスキャンダルの方が映画より注目されて清純(?)イメージに傷が付いたが、そんなの芝居には関係ない。亭主を心配しつつクロウにも引かれる…てな主婦心を上手く演じていた…と思う(女やった事ネェから想像)。現地人役のヒスパニック系俳優も映画のリアリティに華を添えている…ゲリラの描写はほぼ類型的で、貧困ゆえ・・・なんてシーンも無いではなかったが、これは社会派の映画ではないと言うことだ。それじゃバランスが悪いってんでモースを雇っている大企業が人非人に描かれていて、それを象徴する人物を「チルトン先生」が演じている。子の映画一番の儲け役はデヴィット・カルーソ演じる傭兵・・・クロウと同業の交渉人なのだがこいつが武道派。銃を構えたときの殺しの表情は本物に見え、「CSIマイアミ」でも時に感じる非情の演技に繋がる。もう交渉の余地無し、と知ると戦闘員集めての奪回作戦になだれ込み、M4やらミニミやらが動員された戦闘シーンは短時間ながらなかなかの迫力。ツールナイフで敵のノドを一文字に切り裂くバイオレンスはMADDOGっぽく見える刃物で腹をえぐるシーンより残酷に見えた。手渡されたオフィサーズの安全装置すら解除できないモースが最後、なにかと衝突していたチンピラゲリラにきっちり落とし前をつけるのも、リアルではないが、良い。ラストは、ちょっとジェイムズ・コバーンの「スカイライダース」・・・誘拐されていたロバート・カルプを救出し戻ってくると奥さんコバーンを素通りしてカルプのもとへ・・・見たいな感じで、それでもモースとクロウのアイコンタクトはしっかりあるので、違和感はない。ちょい落ち込みのクロウを妙にテンションの高いカルーソが慰めるのも良い・・・・と、まあ・・・・仕事進めなきゃいけないのに、最初から最後まで見てしまいましたとさ。