「New WORDS」

新しく出た雑誌で御祝儀代りに購入。「ニュータイプ」誌の増刊と言う扱いだ。中身は昔の「バラエティ」誌のような・・・ピリッとしない感じだ。付録に「BLOOD+」第1話のUMDがつくのが面白かったが、何で今ごろ一話なのかは分からない。
記事の中で、たしか「BLOOD+」の監督だかプロデューサーだかのインタビューで「(「プライベートライアン」は)あれは反戦を訴えるフリをして巧妙に戦意高揚を謳う映画だから大嫌いです」と言う一文があったが、「プライベートライアン」って反戦映画として宣伝だれていたっけ?と言うかスピルバーグ自身が「反戦映画」と一度でも言ったのか・・・。確かに日本での宣伝はちょっとお涙ちょうだい物っぽい、鼻につくものだったが、反戦映画と言っていたか?この「BLOOD+」の関係者が「プライベート〜」を見て、「これは反戦映画のフリをした戦意高揚だ」とおもったのならもう仕方ないが。アレを見て反戦映画のフリをしている・・・と思うのならね。「プライベートライアン」は戦争アクション映画だ。アレが衝撃だったのは、最新の特殊効果で戦場での人体のダメージを出来るだけリアルに演出しようとスタッフが努力し、それが効果的だったことだ。たとえばペキンパーの「戦争のはらわた」は「プライベート〜」より遥かに上位にランクする戦争映画だけど、あのころはまだ皮膚着弾や人体損傷に関する特殊効果が完全じゃなかった。映画としての「プライベート〜」はスピルバーグのいつもの悪いクセ・・・スポーツのように描いてしまう・・・あの「シンドラーのリスト」の水晶の夜のシーン、隠れているユダヤ人をナチが見つけたシーンの達成感を思い出す・・・が出ていて、悲惨さをあまり感じない。誤解されるといけないけど、あの映画はそこが良い・・・僕はナチをぶっ殺すアメリカ軍を見に「プライベートライアン」を見に行った。要らないシーンが多い映画だがDVDには素敵なチャプターが付いている。この「BLOOD+」の方は大した感受性と反戦思想の持ち主のようだから、頑張って単なる美少女萌え暴力アニメでしかない「BLOOD+」を反戦アニメにでも仕上げてくれれば・・・と思う。とはいえ、あんなアホ文に引用されるスピ公も気の毒。実力以上に有名人だからな・・・。実際、「続・激突 カージャック」以降のスピルバーグに満足している人って、いるのか?